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父の書棚 

路面に花びらが舞い、 葉桜に移り変わり行く風景。 

父がグループホームに入所し、四度目の春が夏に向かう季節だ。

父は、自分と同じで、本を買うことが好きな人だった。 

ジャンルは時代物。 

文庫本を何冊も一度に購入しては、亡き母によく怒られていた。

読んではいるのだが、そのペースが購入に追いついていかない。 

家族の誰かに時代物を好む者がいたなら、父の書棚もうっすらとした埃を被ることもなかったろうに。



母が急逝し、その後、介護を要するようになった父も、紆余曲折を経、何とか施設に入所した。

入居時、トラブルもあった父だが、何とか安定した日々を送れるようになった。

介護に一段落ついた自分がふと辺りを見渡した時、自分の借家がとても広く感じた。

自分一人でこの家は広過ぎるし、何しろ部屋数が多過ぎる。

掃除だけでも大変だ。

自分は、身の丈に合った借家を探し、引っ越すことにした。

母の温もりが残った思い出の家を離れることに、躊躇いはあったが、感傷に浸る時間も家賃も、もったいない。

荷物の分別をすることになった。

だが、編み物が好きだった母が作った物は捨てることが出来ない。 

段ボール箱に入れ、ガムテープで封をした。

自分の私物もなかなか捨てられなかった。

自分の物だから、後で整理すればいいと、これらもダンボールに詰めた。

大きな書棚に並んだ父の文庫本。 

それらに手をつけ始めた。

時代小説好きが周りにいたら、もらって欲しかった。

図書館に寄贈しようかとも考えた。

パラパラと覗いた時代小説は何やら艶やかで、少しばかり興味を抱かせる。

読んでみようかという想いが頭をよぎった。

多分、読めば嵌るであろう、魅力的な文面。

現代にはもう垣間見ることの出来ない本当の想像の世界。
 


しかし、親不孝な自分は少しでも金になれば、とBOOK・OFF に本を運んでしまった。

査定の間、時代小説コーナーを廻ってみた。

時代小説は高値で売買されるようだ。

どれも高い値札が貼られている。

父が持っていた、平岩弓枝氏や藤沢周平氏等の文庫本。

自分がその世界に足を踏み込むことは、多分後悔すると思い、あえて手に取らなかった。 

査定終了のアナウンスが流れ、カウンターに向かった。

本当に時代物は高値で売買されるようだ。

査定額に少し驚いた。

期待以上の値だったからだ。

カウンターの奥にはすでに父の文庫本は移動され、もう自分の手から放れた物になってしまった。

本当は自分が読めば良かったのだ。

あの、自分を誘う、艶やかな世界に手を伸ばすべきだったのだ。
 


心の中でそう呟きながら、自分は査定額を受け取り、店を出た。

その後しばらくはBOOK・OFF に足を運ぶ度に時代小説コーナーを訪れるようになった。

以前はまったくそんなことはなかった自分なのに。

そして、父の本の背表紙を眺める度、その本を大切にしてくれる人に出会うことを祈っていた。

査定の額ではない、売る側にも色んな想いがあって手放すのだということを、BOOK・OFF の店員には解っていて欲しい。 


あのロボットのような淡々とした買い取りの奥の心の中で。 


By kusobookoff

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category: 本への想い

Posted on 2012/04/27 Fri. 03:34  edit  |  tb: 1   cm: 2  

コメント

わかるわ

たしかに、ブックオフの店員てたん
たんとしてるよね。まあそれが仕事やからしかたないんじゃないですか?スイマセンなんか生意気いって

歌麿呂 #- | URL
2012/04/28 14:18 * edit *

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# |
2016/07/26 01:23 * edit *

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まとめ【父の書棚】

路面に花びらが舞い、 葉桜に移り変わり行く風景。 父がグループホームに入所し、四度目の春が夏に向か

まっとめBLOG速報 | 2012/10/23 19:30

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